以前『求人票でよく見かける「Word・Excelが使える」の基準って?』のコラムで、「Word・Excelが使える方」の基準についてご紹介しました。Wordについても触れましたが、使えると良い機能や設定面など軽く説明しただけだったため、今回はもう少し詳しく解説したいと思います。
Wordスキルに長けた採用担当者は少ない
特に事務系の求人情報では「Word・Excelの基本操作ができる」という応募条件が書いてあることがあります。
Wordには普段使わないような機能がたくさんありますが、そのほとんどは使わないケースも少なくありません。たとえば割注(わりちゅう)やドロップキャップのような中級レベルの機能を知っている採用担当者はあまり多くはいないでしょう。
それよりも必要最低限の機能で、サクッと文書を作ることができることの方が大事です。
事務職志望でWordが使えないというのは問題外ですが、採用試験でそんなに高度な知識を要求されることはほぼありません。あるとすれば、文書作成に特化した求人などでしょう。
一般事務のお仕事なら、基本的なレベルであるWord検定3級の知識があれば、事務系のお仕事にさほど支障はないと言えます。
Word検定3級って?
ここでいうWord検定とは、日本情報処理検定協会が主催する日本語ワープロ検定という民間の検定試験や、中央職業能力開発協会が主催するコンピュータサービス技能評価試験(CS試験)のことを指します。
ワープロとは「ワードプロセッサー」の略で、パソコンで文書を作るソフトのこと。
または、昭和の終わりから平成初期にかけて普及した、文書作成のみの機能を持ったOA機器のことを指します。
文書作成ソフトとしては、Windowsでは「Microsoft Word」、Macでは「pages」、最近では「Google ドキュメント」もオンラインで利用できることで有名です。
たとえば日本語ワープロ検定では、主に以下のスキルが求められます。
- タイピングの速度
- タイピングの正確性
- 文書の体裁を整える
検定試験は、4級から初段までレベル別に7段階の級に分かれており、どの級の試験も速度と文書作成の2種類の内容で構成されています。速度では「タイピングの速度と正確性」を、文書作成では「体裁の良い文書を作成する能力」をそれぞれ測る試験です。
Word検定3級の知識レベルとは
今回は検定試験を受けるための解説ではありませんので、各級の詳細等については省略しますね。
一般事務のお仕事ならWord検定3級の知識があれば支障はない、と前述しました。しかし、このWord検定3級の知識レベルが分からない!という人もいますよね。ここではその知識レベルについてご紹介いたします。
- ページ設定
- 1ページにおける行数設定や余白設定などができることは必要最低限の知識です。
- 英単語の全角/半角入力
- 文書作成において、英単語を全角や半角文字で入力するためにF7~F10キーを使うことができる。
- A4用紙1枚で内部文書作成
- ページ設定ができ、内部文書として体裁の良い文書を作成できる。(敬称の付け方、立てのラインを揃えられるなど)
- 文章の装飾
- 囲み線・網掛け・中央揃え・二重下線・斜体・表の塗りつぶし・太字 などができる。
- 文字の装飾
- 文字の輪郭の色を変えたり、影や反射・光彩などの装飾ができる。
- インデント
- たとえばリスト全体に左に2文字分の余白を持たせる、というようにリスト等でよく使う機能
- タブ揃え・均等割り付け
- 表やリスト作成でよく使われる機能
- 表作成
- 表が作れ、罫線や枠組みの装飾ができる。
ザックリですが、上記のような機能が使えると良いでしょう。
ただし、事務職に求められるスキルは知識ではなく、細かいところに気が付くことです。たとえば表やリストなどが混在するような文書を作成する際、縦のラインを意識することが最大のポイントになります。これが分からなければ「Wordが使える」とは言えません。
なおWord検定については、毎年サンプル問題が作成されて一般に公開されています。Amazonや楽天で公式問題集を購入することも可能ですし、ネット検索をすると多数のサンプル問題が見つかると思います。気になる方はチェックしてみてくださいね。
最後に
いかがでしたか?
今回は「Wordが使える」の基準について、詳しく解説いたしました。
日本語ワープロ検定やWord検定の資格を取得した場合、もちろん履歴書に書くことが可能です。しかし、就職や転職に有利か?と聞かれると、残念ながらそうでもありません。
自分自身のスキルアップとして検定試験を受ける方もいますし、試験は受けなくても検定内容を勉強するという方もいます。
文字を入力することができればある程度はWordを使用できますが、ただ文字が打てるだけでは業務に活かせません。
資料や企画書を作成する場合は、書類の「見やすさ」や「わかりやすさ」も重要となるのです。フォントの統一や使い分け、タブ揃えや均等割り付け、表の作成、画像の挿入、インデントといった機能は最低限覚えておきましょう。