忌引き(きびき)とは、親族が亡くなった際に喪に服することです。忌引きのために職場を休むことを忌引き休暇や慶弔休暇と言いますが、「忌引き」が忌引き休暇を指して用いられることもあります。
忌引きは、葬儀前後の準備や手続き、後片付けのために取得されます。また、亡くなった親族との関係性によって取得日数は異なります。
今回は、昼職における忌引きについて会社への連絡マナーや注意点などを詳しくご紹介いたします。
忌引休暇って何日休める?
忌引きは法律では明確に規定されていません。労働基準法にも規定はありませんが、基本的には大半の会社で忌引き休暇制度があります。忌引き規定の目安はあるものの、各々の組織で忌引きの規定は異なります。
忌引き休暇は、本人が申請すれば取得を認められることがほとんどです。口頭での申請だけで済む場合もありますが、会社によっては定められた申請書や葬儀について証明できる書類を提出する必要があることもあります。
詳細については、就業規則をチェックしたり人事担当者や総務担当者に確認するようにしましょう。
■忌引きの休暇日数の目安
忌引き休暇は、故人との続柄によって日数が異なります。一般的には、下記が目安となっています。
<一般的な忌引きの日数>
- 配偶者
- 10日間
- 実父母
- 7日間
- 子
- 5日間
- 兄弟姉妹
- 3日間
- 祖父母
- 3日間
- 配偶者の父母
- 3日間
- 配偶者の祖父母
- 1日間
- 配偶者の兄弟姉妹
- 1日間
- 孫
- 1日間
このように、続柄が近い順に忌引き休暇の日数は増えます。
忌引き休暇の取得日数は、それぞれの会社が独自に定めています。故人への思いが強かったり喪主を務めるなどの場合には、事情を説明すれば規定の日数よりも長く休暇を取れることもあります。
会社によっては、忌引き休暇を取得できる続柄が一親等(父母、子、配偶者)まで、二等親(祖父母、兄弟姉妹、孫)まで、というように決められていることがあるので注意しましょう。
忌引き申請の方法と休暇後の対応
会社によっては、有給のほかに忌引き休暇が導入されているケースがあります。そのため忌引きで休暇の連絡を入れる際は、初めに通常の有給とは違う旨を伝えることが必要です。
最初に連絡を入れるべき相手は『直属の上司』です。直属の上司が最初に知ることで、欠員が出ることによって業務の遂行をどうするべきかをいち早く考えることができます。業務に支障を出さないためには、最適な連絡相手といえます。
総務部への連絡は、直属の上司に指示された場合に行いましょう。何よりもまずは、業務を統率するリーダーの直属の上司にいち早く知らせることが重要です。
直属の上司に忌引きの連絡を行う際は、必ず口頭か電話で直接伝えましょう。
■メールで連絡をする場合
忌引きを連絡する際は、口頭か電話で直接話伝えることがマナーです。メールのみで済ませてしまうと失礼にあたってしまうので気を付けましょう。
しかし、休日や夜間に連絡が必要という場合もありますよね。その場合は、先にメールを送っておき、その後に電話連絡を入れる必要があります。
<メールの例文>
件名:忌引き休暇取得の件
本文:
〇〇課長(部長)、お疲れさまです。
この度、祖父の死去にともない、忌引き休暇を取得したくご連絡をいたしました。
内容は下記の通りです。
期間:〇月〇日~〇月〇日(〇日間)
目的:祖父の葬儀の準備や後片付けのため
忌引き休暇期間中のご連絡は、下記の電話番号へお願いいたします。
◯◯◯-◯◯◯◯-◯◯◯◯
以上、よろしくお願いいたします。
一般的なメールテンプレートですので、状況によって適宜アレンジをしてご利用ください。
■忌引き休暇後の対応
忌引き休暇から復帰する際は、出勤時に会社の上司に葬儀が滞りなく済んだ報告と、急な不在に対応してもらったお礼を伝えておくと丁寧です。周りの人からお悔やみの言葉をかけてもらったときは、「ご迷惑をおかけしました」と返します。
また、会社関係者から香典をいただいた場合は、復帰時の挨拶とともに香典返しを渡しましょう。
さいごに
いかがでしたか?
今回は、昼職での忌引休暇について会社への連絡マナーや注意点などを詳しくご紹介しました。
夜職の場合は、忌引きという制度はあまり聞きませんよね。もし親族の葬儀で休むとしても、店長やマネージャー等に「◯日休みます」と伝えるだけだったのではないでしょうか?
しかし、昼職ではそういうわけにはいきません。
こういうことは予想できるものではありませんし、急に忌引休暇が必要になるケースがほとんどです。まずは、ほとんどの会社には忌引休暇が設けられているということを知っておくことが大切です。
しかし、忌引休暇・慶弔休暇は会社によって規定が異なります。今回ご紹介した内容を参考に、就業規則や人事・総務の方などに確認しておくようにしましょう。