みなし残業って?メリットや仕組みを詳しく解説

みなし残業って?メリットや仕組みを詳しく解説

昼職の求人を見ていると、「みなし残業」という言葉を目にしたことがある人もいるでしょう。しかし、この制度について詳しく理解している!という人はあまり多くないかもしれませんね。

みなし残業代制(固定残業代制)を導入している会社は数多くあります。

労働者にとってみなし残業手当(固定残業代)は、残業が少ない月にも残業代がもらえるというメリットがありますが、会社が正しい運用を行っていない場合、本来はもらえるべき残業代がもらえないということもあります。

え!?そうなの?知らなかった・・・。という方のために、今回はみなし残業の仕組みについて詳しくご紹介いたします。

みなし残業手当(固定残業代)とは

みなし残業手当(固定残業代)とは

みなし残業手当とは、実際の労働時間にかかわらず、一定時間分の残業代が固定給のなかにあらかじめ含まれている残業代のことです。企業によって、固定残業代や定額残業代などと呼ぶこともあります。

みなし残業手当は、たとえば、「固定残業代として、法定時間外20時間分の残業代を含む」というように設定されます。この場合、20時間分の残業代が固定給として支払われます。
また、みなし残業手当は、実際の残業時間の有無にかかわらず支払われるため、上記の例で考えると、残業時間が10時間の場合でも20時間分の残業代が支払われます。

つまり、働く側が残業を一切しなくても固定された残業代分は貰えるというメリットがあります。

■みなし残業手当を貰っていても残業代は請求できる

みなし残業手当は一定時間分の見込み額が支給される制度ですが、それ以外の残業代が全く支払われなくなるものではありません。あらかじめ設定された残業時間を超えて残業をした場合には、超過分の残業代が別途支払われます。

みなし残業手当を貰っていても、固定の残業時間を超えて働いた時間分は、残業代を請求することができるのです。

例えば、みなし残業手当として「20時間分の残業代を含む」とされている場合、月の残業時間が20時間以内の場合には、残業代を会社に請求することはできません。

反対に、20時間を超えた場合、例えば21時間ならば1時間分、35時間であれば15時間分の残業代を別途会社に請求することができます。

「みなし残業手当が支給されているからどれだけ残業しても毎月給料は変わらない」と勘違いしている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、設定されたみなし残業時間を超過した場合、企業は超過時間分の残業代を労働者に支払う義務があります。

みなし残業手当が違法となる場合の条件

みなし残業手当が違法となる場合の条件

「そもそもみなし残業って違法じゃないの?」という質問もよく耳にします。
きちんと企業が制度を運用している場合は違法にはなりません。では、違法となるのはどのような場合でしょうか?

①基本給と残業代が明確に区別されていない

まず、通常の労働時間の賃金にあたる基本給の部分と、時間外の割増賃金にあたる部分が明確に区別されていなければなりません。
これは、固定・定額部分が妥当な金額なのか判断するためです。

たとえば、「月給25万円(みなし残業手当を含む)」だけでは、基本給がいくらで、みなし残業手当がいくらなのかわかりません。基本給と残業代を明確に区別するには「月給25万円(20時間分のみなし残業手当3万円を含む)」などのように明らかにされている必要があります。

②就業規則や雇用契約書に明記されていない

みなし残業手当を適用する場合は、口頭で説明するだけでは足りず、就業規則や雇用契約書に明記したうえで、労働者に周知する必要があります。

さいごに

みなし残業って?メリットや仕組みを詳しく解説まとめ

いかがでしたか?
今回は、みなし残業手当(固定残業制)の仕組みについて詳しくご紹介しました。

求人情報でなんとなく見ていたかもしれない「みなし残業」ですが、どういうものか知った後なら、もう少しきちんと見てみようという気持ちになったかもしれませんね。

「月給25万円(みなし残業手当を含む)」このような表記はNGとされています。こんな書き方を見つけたら、その企業はあまりおすすめできませんし、避けた方が良いかもしれませんね。

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