昼職では出産手当と産休・育休中の社会保険はどうなるの?

昼職では出産手当と産休・育休中の社会保険はどうなるの?

産休や育休期間中は会社からの給与がなくなるため、生活に不安を覚える方も多いかもしれません。この期間には給与減の補填として様々な手当が給付されるので、どんな手当が利用でき、どれくらいもらえるのかを理解しておきましょう。

育休中の手当や給付金については、別途コラム『産休・育休中に給与は支払われる?給付金や手当について』で解説しています。こちらもぜひ参考にしてみてくださいね。

さて今回は、昼職に就業中の出産手当と産休・育休中の社会保険についてご紹介いたします。

出産にかかる分娩・入院費用の手当

出産にかかる分娩・入院費用の手当

産休・育休中は給料の5〜7割の手当金や給付金をもらうことができます。それだけでなく、出産にかかる分娩・入院費用に対しても、出産育児一時金という手当が支給されます。

産後であっても出産の翌日から2年以内であれば申請が可能なので、産前に申請し忘れてしまった人も期間内であればまだ間に合います。

出産に直接要する費用や、出産前後の検診費用などの出産にかかる費用の経済的負担を減らすために支給されます。

子ども1人につき42万円。双子の場合は、84万円、三つ子の場合は126万円もらうことができます。また、加入している健康保険組合や勤務先によっては、独自の付加給付や特別手当などの制度がある場合もあります。

健康保険または国民健康保険に加入している人(被保険者の配偶者や扶養家族を含む)、かつ妊娠4ヵ月(85日)以後の出産をした人であれば受け取ることができ、申請から1〜2か月後に振り込まれます。
※妊娠85日以後で、死産もしくは流産となった場合でも出産育児一時金は支給されます。

出産育児一時金は、加入している協会けんぽや国民健康保険組合を通すのではなく、産院などの医療機関を通して申請する「直接支払制度」が一般的です。

●直接支払制度(医療機関に直接支払われる)の場合

直接支払制度の場合の、申請から支払いまでの流れを見てみましょう。
※小さな規模の産院の場合、直接支払制度が利用できないこともあります。

①医療機関に申請する

医療機関側に「直接支払制度」を利用したい旨を伝えましょう。「直接支払制度合意書」をもらい、記入をして医療機関に提出します。

②健康保険証を医療機関に提示する

入院時に支給対象となる健康保険証を医療機関に提示します。
もし、退職した勤務先の健康保険から給付を受けたい場合、今持っている健康保険証と退職した勤務先の健康保険の資格喪失を証明する書類も合わせて医療機関に提出しましょう。

③出産にかかった分娩費用・入院費用によって支払われる

<出産にかかった費用が出産育児一時金を超えた場合>
⇒退院の際に超過分を医療機関に支払います。

<出産にかかった費用が出産育児一時金を超えなかった場合>
⇒受取代理制度と同様に、明細書と必要書類を協会けんぽなどに提出する必要があります。約1ヶ月〜2か月半後に指定口座に差額分が振り込まれます。

●受取代理制度(医療機関が代理人として受け取る)の場合

受取代理制度の申請ができるのは、出産予定日まで2ヶ月以内の人のみで、利用できるのは、厚生労働省へ届け出を行った一部の医療機関のみです。

①申請書と領収書を提出する

自分で記入後、医療機関に記入をしてもらい、提出しましょう。提出先は、出産時に加入していた健康保険によって異なります。

  • 本人が被保険者の場合(会社勤務など):勤務先の健康保険の窓口に提出。
  • 配偶者の被扶養者の場合:配偶者の勤務先の担当部署に提出。
  • 本人が国民健康保険に加入している場合(無職・自営業など):居住地の市区町村の国民健康保険窓口に申請。

②2週間~2ヶ月後に振り込まれる

出産育児一時金を申請してから2週間〜2か月後、指定口座に子ども1人につき42万円が振り込まれます。

育休中は社会保険料が免除になる?

育休中は社会保険料が免除になる?

育休期間は被保険者と事業主ともに、社会保険料(厚生年金保険料・健康保険料)が免除になる制度があります。

社会保険料免除の対象となる育休は、以下の場合です。

  • 1歳に満たない子を養育するための育休
  • 保育所待機など特別な事情によって、子が1歳6ヶ月に達する日までの育休
  • 保育所待機など特別な事情によって、子が2歳に達する日までの育休
  • 1歳から3歳に達するまでの子を養育するための育休制度に準ずる措置による休業
  • 産後パパ育休

「育児休業の制度に準ずる措置による休業」は、勤めている会社が独自に設けている育休のことです。育児・介護休業法に規定されている育休とは異なるため、「育児休業の制度に準ずる措置による休業」とされています。

■社会保険料が免除になる期間

社会保険料が免除になる期間は、育休開始月から育休終了日の翌日が属する月の前月までです。
育休開始月と育休終了日の翌日が属する月が同一の場合は、育休開始日が含まれる月に14日以上育休を取得した場合に免除となります。

なお、給与だけでなく賞与にかかる保険料も免除になります。

■申請方法

被保険者が育休取得または育休の延長を申し出た際に、事業主が事務センターまたは管轄の年金事務所に「育児休業等取得者申出書」を提出します。
育児休業等取得者申出は、被保険者の育休期間中または育休終了日から起算して1か月以内に行なわなければなりません。

さいごに

昼職では出産手当と産休・育休中の社会保険はどうなるの?まとめ

いかがでしたか?
今回は、出産手当と産休・育休中の社会保険についてご紹介しました。

育休(育児休業制度)は、育児・介護休業法によって定められた「産まれた子どもを育てるための休業期間」です。

育休期間中は給料が支払われないのが一般的です。そのため、育休期間中の生活に不安を覚える方もいるでしょう。しかし、育児休業給付金や児童手当などの支給があり、社会保険料も免除になります。各種制度について理解し、安心して育休期間を過ごせるようにしましょう。

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