昼職を探していると「庶務」という職業を目にしたことはないでしょうか?この庶務という職種は、一体どんな仕事内容だと思っていますか?
総務や事務とは違うの?庶務って何してるの?など、疑問をお持ちの方も多いでしょう。雑用係なんて勘違いされやすい職種である庶務の仕事は、多岐に渡ります。
そこで今回は、庶務の詳しい解説と総務や事務との違いなどについてご紹介いたします。
庶務とは
庶務に対して、何でも屋というイメージを抱いている方もいるかと思います。
庶務は確かに「何でも屋」と言えるでしょう。しかし、ネガティブに雑用係の何でも屋と受け取るのは禁物です。庶務とは会社が円滑に機能するために不可欠な存在であり、みんなから頼られる、ポジティブな意味での「何でも屋」なのです。
●庶務が担当する仕事
庶務の業務内容は会社によって異なります。一般的には、総務や営業、開発、販売などの各部署ごとに庶務担当の人材を配置し、それぞれの部署の事務を行います。
【総務における庶務】
社内規格や社内環境など総務に関する事務仕事を行います。
【営業における庶務】
営業担当者が請け負った注文に関する伝票処理や出張費の精算など、営業に関する事務仕事を行います。
庶務の行う事務仕事は、働く部署によってもその内容はそれぞれ異なるのです。また、社員数が少ない中小企業では、複数の部署の仕事を一人の庶務担当者が一手に引き受けることもあります。
このように、庶務の業務内容は会社や部署によって異なるので明確に決まっていませんが、パソコン入力などのデスクワークだけでなく、担当部署の仕事が円滑に進むためにさまざまなサポート業務を担当していると言えるでしょう。
庶務と総務・事務の違いって?
庶務は幅広く事務全般の仕事を行う職種です。このため、庶務と一般事務は呼び名が違うだけで区別はなく、ほぼ同じ役割と考えてよいでしょう。
そして、庶務とよく混同されるのが、同じ事務関連職である総務です。総務も庶務も、さまざまな事務仕事を一手に引き受ける点では、似たような仕事と言えるでしょう。しかし、総務と庶務では次のような違いがあります。
<総務の明確な違い>
まず、会社組織において、所属する部署が異なります。一般的に、総務は会社組織の中の1つの部署として独立している職種で、「総務部」や「総務課」として分けられています。これに対して、庶務は会社のさまざまな組織に配属されているので、事務職として働きます。
▼営業部に配属された場合
営業部における事務全般を担当します。このような場合は「会社>営業部>庶務担当」となり、営業部門以外の事務は行いません。
※大企業になると事業所や部署も多く、それぞれの部署に庶務担当として配属されることになります。このため、同じ庶務であっても、部署ごとに上司が異なり、業務内容も変わってきます。
▼総務部に配属される場合
この場合、庶務担当者は総務部のための事務作業を行います。
▼総務部の下部グループとして庶務課が配置されている場合
大企業に多いケースですが、この場合は、「会社>総務部>庶務課」という図式が成立します。つまり、総務部の一部門として庶務という仕事があるというわけです。
このように、庶務は社内のさまざまな組織に必要とされる、血液のような存在です。庶務がなければその部署は機能せず、したがって会社も機能しなくなります。
これに対して、総務はそれ自体が1つの部門として独立しているので、どの部署にも属しません。したがって、1つの部署に限定するのではなく、会社全般にかかわる業務を行います。
社内環境の改善や社員の福利厚生、入社式や株主総会などの全社的な行事の運営など、部署の垣根を越えて、全社員が働きやすい環境を作るために、さまざまなサポートをするのが仕事です。
さいごに
いかがでしたか?
今回は、庶務について詳しい解説と総務や事務との違いについてご紹介しました。
庶務と聞くと雑用と決めつけて、やりがいを感じないと嘆く人もいます。
開発業務で研究に没頭している人や、営業部でダントツの売り上げを上げているトップ営業マンなど、表舞台で活躍する人たちの姿を見ると、つい自分の仕事は雑用だと卑下してしまうかもしれません。
しかし、庶務は決して雑用係ではありません。そもそも、仕事に雑用というものはありません。どの仕事も大切な業務なのです。