面接で「苦労したこと」の回答例って?NG回答や面接官の意図とは

面接で「苦労したこと」の回答例って?NG回答や面接官の意図とは

面接ではエピソードトークを求められることもしばしばあります。そのなかでも『苦労したことは?』という質問はネガティブなイメージが強く、難易度の高い質問ですよね。

面接官に対して適切な回答例、陥りがちなNG回答、面接官の質問に隠された「真の意図」など、気になる方も多いでしょう。

そこで今回は、面接で評価される「苦労したこと」の回答例などについて、詳しくご紹介いたします。

「苦労したこと」の質問は3つの意図がある

「苦労したこと」の質問は3つの意図がある

「苦労したことは何ですか?」という面接官の質問は、これまでの求職者の人生を知ることを目的としています。

  • その人が苦労(辛い・困難・負担)と感じることは何か
  • 困難な状況をどの様に受け止め、とらえる事ができたのか
  • その苦労に対してどのように工夫して対応したのか

「苦労したこと」には、面接官(企業)があなたを判断するために必要な情報が含まれています。

1.その人の「苦労の性質」と「苦労のキャパシティ」を確認する

まず1つ目の要素は、あなたがどの様な事柄に対して苦労と感じるかという「苦労の性質」です。それがどの程度までなら大丈夫なのかの判断になる「苦労のキャパシティ」が分かります。

これら2つから面接官は、あなたと企業間に方向性のズレが無いかを確認します。
このズレが大きいほど両者間の信頼関係や仕事に影響するため、面接官もたいへん重要視する要素です。

2.問題を認識する力と状況把握力・分析力を測る

2つ目の要素は、苦労の根本的な原因・本質を見抜き洗い出す「問題を認識する力」です。
この問題認識能力は、今あなたが置かれている状況を把握しているか。そして本質的な問題解決に取り組めるかという、あなたの「状況把握力や分析力」の基準になります。

また困難な状況下でも冷静を保ち、客観的な視点から自分の行動を洗い出すことができる人物であるか。つまり、面接官はあなたの「自己分析能力」についても回答から測っています。
どちらの要素も、さまざまな問題に対峙する社会人には必要不可欠な要素です。

3.問題解決能力を測る

面接官が知りたい要素3つ目の質問意図は、あなたの「問題解決能力」についてです。

つまり、要素2で苦労の原因追及や分析をした後、あなたがどの様な解決策を考えたのか?また、「苦労の再発」を防ぐための対応策にどの様な対応をしたか等にあたります。

この要素の「苦労」をどう乗り越えたのかの部分は、あなたがどの様に工夫したかに注目します。そこから採用担当者は、普段からの物事に対するあなたの思考能力を測ることができるのです。

「苦労したこと」の回答例とNG回答

「苦労したこと」の回答例とNG回答

回答にはコツがあります。

  • あなたが苦労したこと
  • 苦労したことの原因
  • 自己分析
  • あなたがとった解決策とその結果
  • 再発防止の対策・苦労から得たもの
  • 教訓を活かした今後の展望

というように、順序良く説明することで、面接官も理解しやすくあなたについてイメージを膨らませやすくなります。同時に、論理的な思考とコミュニケーション能力の高さもアピールできます。

このコツを踏まえたうえで「苦労したこと」の回答例をご紹介します。

▼回答例

初めてプロジェクト管理を任されたとき、進捗状況に影響を出してしまい苦労したことがあります。

私にはそれまで、アシスタントとしていくつかのプロジェクトに関わった経験があります。
そのため立ち上げからプロジェクト終結までのプロセスは理解しており、作業の進行に問題無いと思い込んでいたのです。

また、初めて任された仕事なので「期待を裏切らないよう頑張らなくては!」と一人で抱え込んだことも原因でした。

その事に気づいた私は自分の実力不足を補うため、上司や同僚などプロジェクト関係者に関わらず意見を求めたのです。
それを基に進行調整をはかり、情報共有のコミュニケーションをまめにとる事でスムーズな進行が可能になりました。

それからは独りよがりにならないよう、人の意見とコミュニケーションを大切にするよう心がけています。

御社で採用されましたら、互いに意見を出し合い助け合える人間関係を築き、スムーズで効率的な作業で貢献したいと思います。

▼陥りやすいNG回答とは

面接官から「苦労したこと」を聞かれた時、「幼い頃、親が事故で…」や「生まれつき病弱で…」等のエピソードを話してしまう人がいます。確かに苦労した話ではありますが、それは自身の能力で解決できない別の苦労になります。

また、その内容には最も重要な面接官が知りたい情報が含まれていない点が最大のNGポイントです。面接官があなたについて知りたい情報とは、あくまで企業にとって有益な情報だという事を忘れてはいけません。

その他にも避けるべき内容として「ノルマ」や「残業」、「パワハラ」などの愚痴とも受け取れる回答もNG。また、確認作業を忘れたなどの「初歩的なミス」も、あなたの力量が低いと判断されるためNG回答です。

さいごに

面接で「苦労したこと」の回答例って?NG回答や面接官の意図まとめ

いかがでしたか?
今回は、面接で「苦労したこと」の回答例やNG回答と質問の意図について詳しくご紹介しました。

面接官の質問意図からもお分かりいただける通り、「苦労したことはありません」という回答もNGです。

何事も苦労だと捉えないポジティブさをアピールする場面ではなく、課題をどのように前向きに受け止め解決したかという過程が重要なのだということを忘れないようにしましょう。

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