
ビジネスマナーで「御社」や「貴社」という言葉を見聞きしたことがあるでしょう。これは相手側の企業を指す言葉ですが、それぞれ同じ意味ではあるものの、使い分けが必要ということはご存じでしょうか?
「どっちも同じなのに?」「今まであまり気にせずに使ってた!」という方もいると思います。
そこで今回は、御社と貴社の使い分け方と例文について詳しくご紹介いたします。
ぜひ参考にしてみてください。
特に面接やビジネスメールに於いて、使い分け方を知っておくと良いですよ。
御社と貴社の違いと使い分け例

「御社」と「貴社」はいずれも相手企業を指す言葉ですが、両者には話し言葉と書き言葉という違いがあります。
御社は話し言葉として、対面や電話で直接会話する際に相手企業を指すために用います。
一方、貴社は書き言葉としてメールなどの文章で相手企業を指すための言葉です。
転職では、履歴書や職務経歴書といった応募書類に記載するのは貴社で、面接では御社を用いるという違いに注意が必要です。
▼「貴社」を使ったメール例文
書き言葉の「貴社」は、メールで相手企業を指す際にも使用します。
転職活動で貴社を用いる際の例文について見てみましょう。
【求人への応募】
私は貴社の持つ医療機器に活用されている独自のAI技術に魅力を感じ、応募させていただくにあたりデータベーススペシャリストの資格を取得いたしました。
これまでの経験を活かし、IT営業業務の経験や人脈、貴社のチームの一員として成果を上げたいと考えております。
【問い合わせ】
貴社の公式ホームページで技術研究開発職の募集を拝見して連絡いたしました。
未経験者でも採用のご予定はありますでしょうか。またその場合、研修期間の有無もあわせてご教示いただけますと幸いです。
▼「御社」を使う場面と会話例
転職活動では、履歴書や職務経歴書、その他の書類では「貴社」を用いますが、面接など対面の場合や電話では相手企業を指す言葉は「御社」です。
【面接での例1】
ぜひ御社のITテクノロジー部門でエンジニアとして関わり、積極的に貢献したいという気持ちが強く応募いたしました。
御社の事業の中でも、特に成長著しいITテクノロジー部門において、その方針に強く共感する部分があります。
【面接での例2】
もし内定をいただけましたら、現職で培った3Dイラストレーターの経験を活かしながら、一日も早く御社のゲーム開発事業に貢献できるよう、クリエイターとして最大限に務める所存です。
御社は私の強みを最大限に活かせる環境だと強く感じております。
「御社」と「貴社」使う際の注意点

●一般企業ではない場合は言い方が違う
相手が一般企業ではない場合、御社や貴社以外の言い方をする場合があります。
転職活動や、営業、問い合わせでは、相手がどの分類に該当するか確認してから正しい言葉を用いるようにしましょう。
<銀行>
- 話し言葉:御行(おんこう)
- 書き言葉:貴行(きこう)
<信用金庫>
- 話し言葉:御庫(おんこ)
- 書き言葉:貴庫(きこ)
<学校法人>
- 話し言葉:御校(おんこう)
- 書き言葉:貴校(きこう)
<病院>
- 話し言葉:御院(おんいん)
- 書き言葉:貴院(きいん)
<官公庁>
- 話し言葉:御省(おんしょう)、御庁(おんちょう)
- 書き言葉:貴省(きしょう)、貴庁(きちょう)
ただ、一般に浸透していないため、転職活動以外では「〇〇信用金庫様」「〇〇区役所」などとしても問題ない場合が多いでしょう。
●二重敬語にならないようにする
御社や貴社は敬称・敬語であり、「様」は付けません。御社様や貴社様と記述すると二重敬語になってしまうためです。
また、「〇〇部長様」といった役職名に「様」をつける表現も二重敬語です。役職名が敬称の役割を既に担っているため、「様」は必要ありません。
敬語は相手を敬う表現ではありますが、不必要に重ねることでかえって相手に失礼になってしまうため、注意しましょう。
●混同しやすい言葉に注意
御社、貴社の他には自社を表す当社や弊社も混同しやすい言葉として注意が必要です。
- 御社:相手企業に対し、相手企業を指す話し言葉
- 貴社:相手企業に対し、相手企業を指す書き言葉
- 弊社:対等な相手に対し、自社を指す言葉
- 当社:相手を立てる目的で、自社を指す言葉
さいごに

いかがでしたか?
今回は、御社と貴社の使い分け方と例文についてご紹介しました。
もしも面接で御社と言うところを貴社と言い間違えてしまったことに気づいたら、その場で速やかに「失礼いたしました」と告げ、「御社」と正しい表現に訂正して言い直しましょう。
焦ってしまうかもしれませんが、理由などを付け加える必要はありません。言い間違えたことがそのまま不採用の理由になることはないでしょう。
慌てずに言い直したら、その後は間違えないよう注意することが大切です。
また、メールで御社と送ってしまった場合は、訂正メールを送る必要はないとされています。
御社や貴社という言葉を用いる目的が相手企業への敬意を示すことであり、貴社とするところを御社と記載したからといって失礼にはあたらないためです。機会があれば、端的に謝罪と訂正を伝えられるとよいでしょう。
メールでは、こういった基本的なミスがないよう、あらかじめ十分に確認しておくことが大切です。
ただし、履歴書や職務経歴書など書類で書き損じた場合は破棄して書き直しましょう。
