『施工管理(せこうかんり)』というお仕事をご存じでしょうか。
どこかで見聞きして、工事現場の管理をする仕事という漠然としたイメージをお持ちの方がほとんどではないでしょうか?実際の業務範囲は幅広く、建設現場を円滑に進めるために必要とされる業務はすべて施工管理の仕事といえます。
一般的に、工事の現場で働く人といえば、男性をイメージする方が多いでしょう。実際に大多数は男性なのですが、近年では女性も少しずつ増えているのです。
建設現場で働く女性は『現場女子』と呼ばれ、業界の将来を担う貴重な戦力として期待されています。
夜卒をしてリスタートジョブで転職をお考えの方のなかにも、現場女子に興味をお持ちの女性もおられました。
そこで今回は、施工管理の仕事内容や基礎知識について詳しくご紹介いたします。
施工管理とは
工事が円滑に進むように現場全体の管理をする仕事です。
略してセコカンと呼ばれることもあり、現場で工事を管理するだけでなく、書類整理や諸官庁の手続きなどの業務を行います。工事は主に住宅や商業施設、ビルなどの建設工事と、道路やダム、橋梁などの土木工事があります。成果が「建造物」という形で世に残るため、完成したときの達成感が大きな仕事です。
業務内容は多岐にわたりますが、工事スケジュールを立て、工期が遅れないように日々進捗を管理する「工程管理」が主な業務です。ほかにも、品質管理、原価管理、安全管理などの業務もあります。
施工管理の業務は幅広く、現場管理だけでなく、施工計画の立案や検査書類の整理などのデスクワークや、施主や設計者、協力業者との打合せや諸官庁への手続きも行う必要があり、さまざまな業務を並行して進めなければなりません。
そのため業務量が多い傾向にありますが、近年では働き方改革により仕事の効率化を進める動きが活発化しており、IT技術の活用やリモートワークの導入など、さまざまな対策を施す企業が増えてきています。
施工管理の仕事内容
▼工程管理
作業の進め方や作業員の人員、必要な重機の手配といった管理のことで、予定の工期を守るための重要な業務です。
工程管理が上手くいかないと工期の遅れに繋がるため、工程表通りに作業が進んでいるかチェックすることが必要になります。
▼安全管理
建設作業にあたる作業員の安全を守るために、必要な設備や環境を整える業務です。危険な現場で安全に作業できるよう、手すりや消化設備の設置、使用機材の安全点検など業務内容は多岐に渡ります。
また、危険な場所の看板設置、ヒヤリハットの周知徹底といった事故防止に役立つ環境作りも安全管理の重要な業務です。
▼品質管理
建設で使用する材料の寸法や品質が、設計図書や仕様書にある規格を満たしているかを管理し、経済的に建設するための業務です。品質評価の対象項目を試験し、長期的な高品質を確保するための管理も行います。
また、完成時の建物の強度や密度が規定を満たしているかを管理することも品質管理業務の1つです。
▼原価管理
建設現場における人件費や材料費の原価を計算し、決められた予算内に完成させるための重要な業務です。
予算と進捗状況によって発生する経費を把握・管理することで、予算との差異があるかどうかをチェックします。差異が生じた場合は状況を分析し、計画や工程の改善をして適正な利益を確保することも原価管理の大切な業務です。
施工管理と現場監督の違い
両者は、ともに建設現場において工事の管理をする仕事のため、業務内容に大きな違いはありません。しかし、業務範囲などにより呼び名を使い分ける場合もあります。
●施工管理
「建設現場の全体を管理する」という意味合いで使用されることが一般的です。
現場で工事の進捗や品質などを管理するときもあれば、オフィスで工程表の作成や工事計画の立案などのデスクワークを行うこともあり、工事を進めるために必要な業務のほとんどをカバーします。
●現場監督
現場監督も建設現場における管理を行いますが、主に現場での業務を行う人のことを指します。
現場に常駐し、工事の進捗管理や検査による品質管理、安全管理を行うため、現場の司令塔のような役割を担います。デスクワークは施工管理と比べると少ないのが一般的です。
さいごに
いかがでしたか?
建設現場で重要な役割を持つ施工管理は、さまざまな管理業務を行う建設現場に必要不可欠な存在です。
活躍する場所としてはゼネコンやハウスメーカー、リフォーム業界が一般的ですが、電気・ガスといったインフラ業界やプラント業界などでも施工管理の仕事が求められます。